アカムツは日本海側でしか釣れない——私はずっと、そう思い込んでいました。それが覆ったのは、キハダ釣行でいつもお世話になっている船長との、何気ない雑談から。「相模湾でもアカムツ釣れるよ」。その一言に衝撃を受けて、やらない理由がなくなりました。2022 年と 2023 年、キハダのシーズンオフに 6 回通って、釣れたアカムツは 4 匹。数は渋くても、深場から脂ののった一匹を絞り出す相模湾のアカムツジギングを、正直に振り返ります。
「相模湾でもアカムツが釣れる」— 船長の一言から #
きっかけは、キハダキャスティングでよく乗せてもらっていた船長との雑談でした。「相模湾でもアカムツ釣れるよ」と聞いたとき、正直びっくりしました。アカムツ=日本海側の魚、というのが私の中の思い込みだったからです。
そんな話を聞いてしまえば、やらない理由はありません。船長におすすめされた道具をひと通り揃えて、キハダが一段落した 10〜11 月に、深場のアカムツを狙い始めました。釣行はいずれも晴れの凪、水深 200〜270m の深場が舞台です。
初日の衝撃 — 船長が 200m から抜いた一本 #
とはいえ、アカムツジギングは完全に初めて。どんな誘いをすればいいのか、まるで分からないまま船に乗りました。
ポイントに着くと、船長が「釣り方教えてやっから見とけ」と、丁寧にアカムツの誘い方をレクチャーしてくれます。そして——ジグを海底まで落として実演している最中に、船長の竿に魚がかかりました。巻き上げの途中、船長は「これアカムツだな」と淡々と言いながら、リールを回している。
200m を超える海底から上がってきたのは、本当にアカムツでした。あげる前から魚を言い当て、当たり前のように抜いてくる——驚きすぎて、笑いが止まりません。ここから、私のアカムツ通いが始まりました。
タックル(電動スロージギング) #
深場 200m 超を手巻きで通すのは体力的に厳しいので、電動リール+スロー系ロッドの「電動スロージギング」で組んでいます。
- ロッド:ゼスタ(XESTA) スローエモーション for ショートピッチジャーク B510-4
- リール:シマノ フォースマスター 1000(電動)
- バッテリー:BMO JAPAN リチウムイオンバッテリー 14.4V 13.2Ah
- ライン:PE1.5 号 600m
- ジグ:ディープライナーのスロー系(スキップ VB/スピンドルナロー、200〜250g)
- アシストフック:小田原・長谷川釣具の「ハセガワオリジナル」2/0 10 号。後半は、これを真似して自作したものを使いました
ロッドとリール

仕掛け

深場は潮と底取りが肝で、細めの PE1.5 号 600m でしっかり底まで届かせます。フックを自作するようになったのは、通ううちに「この釣りをもっと自分の手でやりたい」と思うようになったから。市販に頼り切らずに詰めていく過程も、この釣りの面白さです。
誘い方 — 超スロージャーク #
やることはシンプルですが、繊細です。200〜270m の底付近で、超スロージャーク。電動リールで底取りと回収を助けてもらいながら、ジグをできるだけゆっくり、丁寧に誘います。
アカムツの当たりは明確に大きく出ないことも多く、深場ゆえに違和感を取れるかどうか。ジグはディープライナーのスキップ VB とスピンドルナロー(200〜250g)を、その日の潮に合わせて使い分けました。
6 回通って 4 匹 — でもボウズはなし #
正直な釣果です。6 回の釣行で、アカムツは 1 匹ずつ、計 4 匹。スキップ VB とスピンドルナローで 2 匹ずつでした。数を稼げる魚ではないので、1 匹の価値がとにかく高い。
ただ、アカムツ以外は毎回何かしら釣れて、ボウズは一度もありませんでした。シロムツ、クロムツ、ユメカサゴ、クロシビカマス、ツノザメ——深場は多彩な魚が相手をしてくれます。本命こそ渋いものの、「何が上がってくるか分からない」深場ジギングの面白さが詰まっていました。
初回の釣行 アカムツはディープライナースロースキップVB(サムネ)

2匹目
ディープライナースピンドルナロー

家に帰ってサイズを測ったら約35cmでした

3匹目
ディープライナースピンドルナロー

4匹目
ディープライナースロースキップVB

アカムツは1回の釣行で1匹しか釣れていませんが運良く高確率で釣れていると思います。
改めて写真を見ていると、4匹全てジグの下の方のフックにかかっていますね。
食 — 脂で手と包丁がすごいことに #
アカムツはやはり食です。刺身、炙り、塩焼きでいただきました。
右上の塊はクロシビカマスでそれ以外はアカムツの刺身と炙りにしてみました。
とにかく脂。捌く段階で、手も包丁も脂でギトギトになるほどで、火を入れると旨みが溢れます。炙りの香ばしさ、塩焼きのふっくら感、刺身のとろける口当たり——6 回通って 4 匹という渋さも、この一皿で報われる気がしました。高級魚と呼ばれる理由が、捌くたびに手のひらで分かります。
まとめ #
アカムツは、通って獲る魚です。2022・2023 年のキハダオフに 6 回、釣れたのは 4 匹。派手さはありませんが、深場で一匹を絞り出す集中と、脂ののった食の満足は、キャスティングとはまた違う手応えがあります。
- 時期は 10〜11 月、晴れ・凪の日に水深 200〜270m の深場
- 電動スロージギング(フォースマスター 1000 + スロー系ロッド)で、超スロージャーク
- 本命は渋くても外道多彩でボウズなし。1 匹の価値と、脂ののった食が魅力
あの雑談で船長が「相模湾でもアカムツ釣れるよ」と言ってくれなければ、私はこの釣りを知らないままでした。キハダが終わっても、相模湾の海は下に楽しみを残してくれています。
about the author
マグロキャスティングを軸に、ジギング・エギング・ショアの実釣を本音で発信。2018 年再開、相模湾を主戦場に活動中。
