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入門ガイドエギング··読了 9分

エギングロッドは万能?流用できる釣りを公式適合値で早見表に

まつぼっくり
監修・執筆
まつぼっくり
マグロキャスティング 2018-
エギングロッドは万能?流用できる釣りを公式適合値で早見表に

「エギングロッド一本持っとけば、何でもできることないですか?万能です」。Yahoo!知恵袋で見かけたこの質問への答えを、先に言います。かなり本当です。ただし「何でも」には得意と不得意の地図があるので、この記事でそれを早見表にします。

基準にするのは筆者の実機、シマノ 22セフィアBB S86MLです。公式適合値はエギ1.8〜3.8号・PE0.4〜1号・全長8.6ft・自重105g。エギの重さは公式値で2.5号=11g、3.5号=22g (エギ王K) なので、ルアー重量に翻訳するとおおよそ5〜25g帯を、PE0.4〜1号で投げる竿ということになります。実はこれ、ショアのルアー釣りの「中量級ど真ん中」です。万能と言われる理由はスペックの位置取りにあります。

なお正直に書いておくと、筆者はこのロッドを今のところエギング専用で使っています。以下の可否は公式適合値と各釣りの一般的なルアー重量帯を照らした整理で、流用の実釣はこの秋から試して、結果をこの記事に追記していきます

流用早見表 (陸っぱり編) #

S86ML級 (8.6ft・ML・5〜25g帯) を基準にした可否です。お手持ちのロッドは適合ルアーウェイトの表記に置き換えて読んでください。

釣り可否理由 (ルアー重量帯との照合)
シーバスミノー・シンペンの主力7〜25gがほぼ適合帯そのまま。長さも河口・港湾にちょうど良い
チニングボトムゲームの5〜14gが適合ど真ん中。感度も足りる
ちょい投げ (キス)オモリ3〜5号 (約11〜19g) なら適合内。6号超は竿に無理をさせない
タチウオ (ワインド)14〜21g級のワインドは適合内。ワイヤーリーダー等の仕掛け側だけ調整
ライトショアジギングメタルジグ20〜25gまでが現実線。定番の30g以上は適合オーバーで破損リスク
サーフ (ヒラメ・マゴチ)25g以下のルアーに限れば可。ただし飛距離勝負の釣りなので専用ロッドに分がある
メバリング (プラグ)2〜5gのプラグは投げられるが軽すぎ側。操作感は薄い
アジング (ジグ単)×0.5〜3gのジグヘッドは軽すぎて何をしているか分からない。フロートリグ (5〜15g) なら○に変わる

見て分かるとおり、「エギより重い側」への流用が苦手で、「エギ前後の重さ」への流用が得意です。判断に迷ったら、使いたいルアーの重さが5〜25gに収まるかだけ確認してください。適合ウェイトから逆算する考え方は キハダロッドの記事 で書いたものと同じで、釣りが変わっても通用します。

豆知識:エギの号数とオモリの号数は別の規格 #

表の中に2つの「号」が出てきたので、混乱しやすい豆知識をひとつ。エギの号数は長さの規格です。由来は尺貫法の「寸」で、1号 ≈ 1寸 (約3cm)。つまり3.5号 ≈ 10.5cmという全長の表記で、重さはメーカーやタイプ (ベーシック/シャロー/ディープ) ごとに違います。だからこの記事では、号数からの一般換算ではなく「エギ王Kの公式値で2.5号=11g・3.5号=22g」という実製品の値を根拠にしています。

一方、オモリの号数は重さの規格で、1号 = 3.75g (一匁由来) と決まっています。覚え方は簡単で、5円玉1枚がちょうど3.75g (一匁) なので、「オモリ1号 = 5円玉1枚」と財布の中の実物で覚えられます。ちょい投げの換算 (オモリ3〜5号 ≈ 11〜19g) はこちらの規格です。同じ「号」でも片方は長さ、片方は重さ。釣り具の号数を見たら「これはどっちの号だ?」と一度疑うのが、適合ウェイト照合のコツです。

逆はどう?手持ちのロッドでエギングはできる? #

これから始める人の「まず手持ちで」も整理します。

  • シーバスロッド (ML・8〜9ft): ◎。ダイワの入門解説でもエギングタックルとして「シーバスロッド7〜9フィート M・ML」が併記されているほどの定番代用です。しゃくりは専用ロッドよりだるいものの、釣りは十分成立します
  • バスロッド (スピニングML〜M): △。重さは合いますが6〜7ftと短く、飛距離としゃくり幅が物足りません。近距離の秋イカ・2.5号なら遊べます
  • アジング・メバリングロッド: △〜×。多くのモデルは適合上限が10g未満で、2.5号 (11g) でもうオーバー気味。1.8号までのライトエギング専用と割り切るなら
  • ショアジギングロッド: △。3.5号は投げられますが、硬すぎてエギの操作感がほぼ伝わりません

スペックが合えば同じ?「専用設計」の正体 #

ここで大事な疑問に答えます。「スペックがど真ん中なら、専用ロッドと同じように使えるのか?」。答えはノーです。早見表は重量とラインの適合、つまり「その釣りが成立するか」の判定であって、使い勝手まで同じにはなりません。カテゴリごとに、数字に出ない設計が違うからです。

  • 全長: 長さは「釣る場所と動作」で決まります。エギングの8.6ft前後は、堤防から広く探る飛距離と、しゃくり幅 (ロッドの振り幅でエギを大きく跳ねさせる) のための長さです。逆に船の釣りは短い。筆者のマルイカ竿は約1.55mで、揺れる船上で足元を縦に釣るには、長い竿はただ扱いづらいだけだからです。同じ「イカを釣る竿」でも、場所が変われば最適な長さは真逆になります
  • リアグリップ (バット) の長さ: エギングロッドはリアグリップが短く作られています。しゃくり続けるとき、長いバットは肘や体、服に当たって邪魔になるからです。逆にシーバスロッドやショアジギングロッドのバットが長いのは、両手で振り抜くキャストと、脇に挟んで支える使い方のため。シーバスロッドでエギングが「できるけどだるい」最大の理由がここです
  • 調子 (曲がり方) と張り: エギングロッドは張りのある先調子寄りで、しゃくりの入力で糸ふけを弾き、エギをキレ良く跳ねさせる設計です。シーバスロッドはバイトを弾かない「乗せ」寄りの曲がり、アジングロッドは1g以下を感じる繊細さ特化、ショアジギングロッドは重いジグを支える強い胴。同じ「曲がる棒」でも最適化の方向がまるで違います
  • 自重とバランス: エギングは一日に何百回もしゃくる釣りなので、数字の軽さだけでなく「構えたときに穂先側が重く感じないバランス」まで含めて設計されています。カタログ自重が同じでも、持ち重りは同じではありません
  • ガイド設定: 細いPEで糸ふけを多用する釣りのため、エギングロッドはライン絡みを抑えるガイド配置になっています。夜の釣りでのトラブルの少なさは、この見えない設計の差です

「エギング専用ロッド」という商品ジャンルが存在するのは、この5つ (全長・グリップ・調子・バランス・ガイド) を「エギをしゃくって沈める」という動作に全振りした答えだからです。

だから流用の見極めは、2つの質問で足ります。①ルアーの重さとラインは適合範囲か (成立するか)。②その竿が前提にする「誘い方」は似ているか (快適か)。しゃくる竿はしゃくる釣りに強い — エギングロッドとワインドの相性が良いのは動作が同じだからで、シーバスロッドのエギングがだるいのは動作が違うからです。逆に、ちょい投げのように動作の要求が軽い釣りでは、形状の影響は小さくなります。早見表の◎○△も、この2つを重ねた判定です。

流用で始めて、その釣りが好きになったら専用ロッドを買う — 数字と動作の両方を踏まえると、これが一番損のない順番だと思います。

船の釣りには流用できる? #

知恵袋には「船への流用」の質問も多いので正直に。基本的におすすめしません。船の釣りはレンジを縦に釣るため、長さと調子の設計が根本から違います。ティップランは重いエギ (30g超) と目感度特化の穂先が前提で別物、イカメタルも同様です。一つテンヤは軽めのテンヤなら数字上は届きますが、専用の繊細な穂先には及びません。

筆者自身、船のマルイカに行くときはエギングロッドを流用せず、専用竿を用意しました。1日その釣りをやり込むなら、専用設計に払う価値がある。それが船釣りだと思います。

流用の限界は3つだけ覚えておく #

  1. 重量オーバーは破損リスク。適合上限を超えたルアーのフルキャストは、竿への保険がありません。「投げられる」と「投げ続けられる」は別です
  2. 軽すぎるルアーは操作感が消える。竿は壊れませんが、何をしているか分からない釣りになります
  3. 長さと調子は釣りの設計そのもの。特に船の釣りへの流用が苦しいのはこのためです

逆に言えば、この3つに触れない範囲では、エギングロッドは堂々の万能竿です。

まとめ:最初の1本としてのエギングロッドはアリ #

  • エギングロッド (8.6ft・ML級) の適合はおおよそ5〜25g・PE0.4〜1号 = ショア中量級のど真ん中
  • シーバス・チニング・ちょい投げ・ワインドへの流用は◎〜○。ショアジギ・サーフは25gまでの△
  • アジングのジグ単は×。フロートリグなら○
  • 手持ちのシーバスロッド (ML) でのエギング入門は◎。船への流用は基本おすすめしない
  • スペックは「成立するか」の入口判定。全長・リアグリップ・調子・バランス・ガイドの専用設計と「誘い方が似ているか」が快適さを分ける
  • 対象がおおよそ3kg未満クラスの魚 (シーバス・チヌ・キス・タチウオなど) までなら、「これから釣りを広げたい人の最初の1本」としてエギングロッドは合理的な選択。それ以上の大物狙いは、最初からその釣りの専用ロッドを

筆者の実機S86MLのエギングでの使用感は 実機レビュー に、タックル一式の予算は タックル記事 にまとめています。

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シマノ 22セフィアBB S86ML
シマノ

シマノ 22セフィアBB S86ML

エギ3号を中心に幅広く扱える、エギング入門定番のオールラウンド番手。ハイパワーXの補強がキャスト時のネジレを抑え、狙った釣り座へ正確に投げてエギを思い通りに操れます。筆者も三崎港のエギングで使い続けていて、アオリイカもマルイカもこのロッドでキャッチしています。

frequently asked

よくある質問

エギングロッドでシーバスは釣れますか?
相性は流用先の中で最も良い部類です。シーバス用ミノーやシンキングペンシルの主力重量 (7〜25g) が、エギングロッドの適合帯 (S86ML級でおおよそ5〜25g) とほぼ重なるためです。港湾や河口の釣りなら長さも十分です。
エギングロッドでアジングはできますか?
ジグ単 (0.5〜3g) は軽すぎて操作感がほぼ伝わらないため不向きです。ただしフロートリグやキャロ (5〜15g) なら適合帯に入るので成立します。ジグ単をやり込みたいならアジング専用ロッドをおすすめします。
エギングロッドでショアジギングは何gまで投げられますか?
S86ML級なら、公式適合の上限 (エギ3.8号 ≒ 25g前後) までが目安です。定番の30〜40gのメタルジグは適合オーバーで破損リスクがあるため、20〜25gのライトショアジギングまでと割り切ってください。
シーバスロッドでエギングはできますか?
できます。ダイワの入門解説でもエギングタックルとして7〜9フィートのM・MLシーバスロッドが併記されているほどの定番代用です。しゃくりの軽快さは専用ロッドに譲りますが、始める分には十分成立します。
エギングロッドをティップランに流用できますか?
おすすめしません。ティップランは30gを超える重いエギと目感度特化の穂先が前提で、陸っぱり用のエギングロッドとは設計が別物です。筆者も船のイカ釣りでは流用せず専用竿を用意しました。
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まつぼっくり
まつぼっくり
釣りライター / 釣りちゃん運営者

マグロキャスティングを軸に、ジギング・エギング・ショアの実釣を本音で発信。2018 年再開、相模湾を主戦場に活動中。

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