アオリイカは「イカの王様」と呼ばれる高級イカです。そして旬を調べると「春」と書くサイトと「秋」と書くサイトが混在していて、初めて調べる人は混乱すると思います。
答えを先に書くと、旬は二つあります。秋(9〜12月)は生まれたての新子が柔らかい季節、春(4〜6月)は産卵前の親イカが厚みと甘みを蓄える季節です。この記事では市場の統計データを軸に、旬と値段を整理します。そこに、筆者が三崎港で釣って食べた 3 杯 (2025 年 12 月に 1 杯、2026 年 5 月に 2 杯) と、同じ日に釣れたマルイカとの食べ比べを足しました。秋の新子はまだ釣れていないので、その味は書きません。
アオリイカの旬はいつ? #
食べる旬は秋(9〜12月)と春(4〜6月)の二つです。秋は夏に生まれた新子(子イカ)が釣れ盛る季節で身が柔らかく、春は産卵を控えた親イカが大きく育ち、厚みと甘みが乗ります。
これは釣りのシーズンとほぼ重なります。筆者の三崎港の実釣は、2025 年 12 月に小ぶりの 1 杯、2026 年 5 月に春の個体を 2 杯、2026 年 9 月上旬の秋イカ開幕戦は 3 人ともノーヒット、という順でした。シーズンの全体像は秋イカの時期の記事にまとめています。
秋の新子と春の親イカ、どう違う? #
同じアオリイカでも、秋と春では別の食べ物と言っていいくらい性格が違います。

| 秋(9〜12月) | 春(4〜6月) | |
|---|---|---|
| 主役 | 新子(夏生まれの子イカ) | 産卵前の親イカ |
| サイズ感 | 小ぶり〜中型 | 大型(キロアップも) |
| 身の特徴 | 柔らかい、皮ごと食べやすい | 厚みがあり、噛むほど甘い |
| 手に入りやすさ | 数が出る | 1杯の価値が高い |
筆者が食べたのは、2025 年 12 月の小ぶりな 1 杯と、2026 年 5 月の 2 杯です。秋の新子はまだ釣れていないので、表の「柔らかい、皮ごと食べやすい」は一般的な説明で、筆者の実食ではありません。3 杯とも食べ方は同じで、胴の一部を刺身、残りの胴とゲソはバター醤油焼きにしました。アオリイカの身は弾力があって、噛むとねっとりした甘みが出ます。5 月は同じ日にマルイカも釣れて食べ比べになりましたが、マルイカは柔らかくしっとりした甘みで、並べると別物でした。正直なところ、12 月と 5 月のアオリイカの差より、アオリイカとマルイカの差の方がはっきり分かりました。
締めてからの時間でも食感が変わるとされ、当日はコリコリ、翌日は甘みが増すというのが一般的な説明です。筆者はアニサキス対策で1日以上冷凍してから翌日以降に食べており、当日の刺身は未検証です(保存の詳細は 保存方法の記事 に書いています)。冷凍で味が落ちたとは感じていませんが、釣った後に冷凍せずに食べたことがないので、比較はできていません。
アオリイカの値段はいくら? #

東京都中央卸売市場の市場統計を集計したデータ(豊洲市場、2026年6月分まで)で直近1年の卸売平均価格を見ると、1kgあたり約3,000〜6,100円の間で動いています。
- 最高は8月の6,126円/kg
- 最安は新子が出回る10月の3,082円/kg・11月の3,060円/kg
- 春の親イカの時期(4〜6月)は3,200〜4,100円前後
これは卸値なので、小売ではここに流通コストが乗ります。スーパーや鮮魚店で「アオリイカは高い」と感じるのは間違いではなく、卸の時点でスルメイカなど大衆イカの数倍の水準です。
面白いのは、一番おいしく数が食べられる秋が、市場では一番安いということ。新子がまとまって水揚げされる季節だからです。逆に漁獲の端境期にあたる夏は値が跳ね上がります。
釣れば0円?——釣り人の本当の特権 #
市場価格が一番安い秋は、裏を返せば釣り人にとって一番釣りやすい季節です。キロ3,000円の高級イカが、釣れば0円——と言いたいところですが、これは釣り人の理屈です。釣りをしない人からすれば「道具を買うより安いわ」。ごもっともです。エギは1本1,000円前後で根掛かりすれば海に消えますし、タックル一式なら最低でも2万円台。ハイエンドのロッドやリールを揃えたら、何十杯釣っても元は取れません。
それでも釣り人がアオリイカを狙うのは、元を取るためではないと思います。キロ3,000〜4,000円の値札が付く獲物を自分の腕で掛けるのが、単純に楽しい。市場価格は「今日の獲物の価値」を裏書きしてくれる、ご褒美の数字くらいに思っています。
そして本当の特権は、お金を出しても買えないものです。釣った当日のコリコリの刺身は、流通を経た店頭にはまず並びません。沖漬けのように「釣った直後でないと作れない料理」も釣り人の側にあります。
- これから始めるなら: 秋イカエギングの始め方
- 道具をそろえるなら: エギングタックル6点と予算
- 釣った後は: 締め方で鮮度を保てば、店で買うより良い状態で持ち帰れます
筆者は店でアオリイカを買ったことがなく、食べた分はすべて自分で釣ったものです。高級とされる春の親イカも、エギングでは狙って獲れるターゲットです。「食べたいから釣る」は、アオリイカに関しては十分に合理的な動機だと筆者は思っています。
まとめ:旬は二つ、財布に優しいのは秋 #
- アオリイカの旬は秋(9〜12月・新子の柔らかさ)と春(4〜6月・親イカの厚みと甘み)の二つです
- 市場の卸値は直近1年で約3,000〜6,100円/kg。最高は8月、最安は新子シーズンの10〜11月です(東京都中央卸売市場の統計)
- 当日コリコリ・翌日甘みは一般論。筆者は1日以上冷凍してから翌日以降に食べています
- 一番安く・一番釣りやすいのが秋。釣り人の特権は「0円」ではなく、店に並ばない鮮度です
- 筆者が食べたのは三崎港の 3 杯 (2025 年 12 月に 1 杯・2026 年 5 月に 2 杯)。弾力とねっとりした甘み、同じ日のマルイカは柔らかくしっとり。秋の新子は未食、店で買ったこともない
よくある質問
アオリイカの旬はいつですか?
アオリイカの値段はいくらですか?
アオリイカはなぜ高いのですか?
秋の新子と春の親イカ、どちらがおいしいですか?
旬のアオリイカを安く食べる方法はありますか?
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マグロキャスティングを軸に、ジギング・エギング・ショアの実釣を本音で発信。2018 年再開、相模湾を主戦場に活動中。



