アオリイカは「イカの王様」と呼ばれる高級イカです。そして旬を調べると「春」と書くサイトと「秋」と書くサイトが混在していて、初めて調べる人は混乱すると思います。
答えを先に書くと、旬は二つあります。秋(9〜12月)は生まれたての新子が柔らかい季節、春(4〜6月)は産卵前の親イカが厚みと甘みを蓄える季節です。筆者は釣り人として9月・12月・5月のそれぞれでアオリイカを釣って食べてきたので、この記事では市場の統計データと実釣・実食の両方から、旬と値段を整理します。
アオリイカの旬はいつ? #
食べる旬は秋(9〜12月)と春(4〜6月)の二つです。秋は夏に生まれた新子(子イカ)が釣れ盛る季節で身が柔らかく、春は産卵を控えた親イカが大きく育ち、厚みと甘みが乗ります。
これは釣りのシーズンとほぼ重なります。筆者の実釣でも、9月上旬の三崎港で秋シーズンが開幕し、12月の三崎港で小ぶりの1杯、5月には春の個体という顔ぶれでした。シーズンの全体像は秋イカの時期の記事にまとめています。
秋の新子と春の親イカ、どう違う? #
同じアオリイカでも、秋と春では別の食べ物と言っていいくらい性格が違います。

| 秋(9〜12月) | 春(4〜6月) | |
|---|---|---|
| 主役 | 新子(夏生まれの子イカ) | 産卵前の親イカ |
| サイズ感 | 小ぶり〜中型 | 大型(キロアップも) |
| 身の特徴 | 柔らかい、皮ごと食べやすい | 厚みがあり、噛むほど甘い |
| 手に入りやすさ | 数が出る | 1杯の価値が高い |
食感は締めてからの時間でも変わります。筆者の実食では、釣った当日はコリコリの歯ごたえ、翌日は甘みが増すという違いがはっきりありました(詳しくは締め方の記事に書いています)。
アオリイカの値段はいくら? #

東京都中央卸売市場の市場統計を集計したデータ(豊洲市場、2026年6月分まで)で直近1年の卸売平均価格を見ると、1kgあたり約3,000〜6,100円の間で動いています。
- 最高は8月の6,126円/kg
- 最安は新子が出回る10月の3,082円/kg・11月の3,060円/kg
- 春の親イカの時期(4〜6月)は3,200〜4,100円前後
これは卸値なので、小売ではここに流通コストが乗ります。スーパーや鮮魚店で「アオリイカは高い」と感じるのは間違いではなく、卸の時点でスルメイカなど大衆イカの数倍の水準です。
面白いのは、一番おいしく数が食べられる秋が、市場では一番安いということ。新子がまとまって水揚げされる季節だからです。逆に漁獲の端境期にあたる夏は値が跳ね上がります。
釣れば0円?——釣り人の本当の特権 #
市場価格が一番安い秋は、裏を返せば釣り人にとって一番釣りやすい季節です。キロ3,000円の高級イカが、釣れば0円——と言いたいところですが、これは釣り人の理屈です。釣りをしない人からすれば「道具を買うより安いわ」。ごもっともです。エギは1本1,000円前後で根掛かりすれば海に消えますし、タックル一式なら最低でも2万円台。ハイエンドのロッドやリールを揃えたら、何十杯釣っても元は取れません。
それでも釣り人がアオリイカを狙うのは、元を取るためではないと思います。キロ3,000〜4,000円の値札が付く獲物を自分の腕で掛けるのが、単純に楽しい。市場価格は「今日の獲物の価値」を裏書きしてくれる、ご褒美の数字くらいに思っています。
そして本当の特権は、お金を出しても買えないものです。釣った当日のコリコリの刺身は、流通を経た店頭にはまず並びません。沖漬けのように「釣った直後でないと作れない料理」も釣り人の側にあります。
- これから始めるなら: 秋イカエギングの始め方
- 道具をそろえるなら: エギングタックル6点と予算
- 釣った後は: 締め方で鮮度を保てば、店で買うより良い状態で持ち帰れます
高級とされる春の親イカも、エギングでは狙って獲れるターゲットです。「食べたいから釣る」は、アオリイカに関しては十分に合理的な動機だと筆者は思っています。
まとめ:旬は二つ、財布に優しいのは秋 #
- アオリイカの旬は秋(9〜12月・新子の柔らかさ)と春(4〜6月・親イカの厚みと甘み)の二つです
- 市場の卸値は直近1年で約3,000〜6,100円/kg。最高は8月、最安は新子シーズンの10〜11月です(東京都中央卸売市場の統計)
- 釣った当日はコリコリ、翌日は甘み。締めてからの時間でも味が変わります
- 一番安く・一番釣りやすいのが秋。釣り人の特権は「0円」ではなく、店に並ばない鮮度です
よくある質問
アオリイカの旬はいつですか?
アオリイカの値段はいくらですか?
アオリイカはなぜ高いのですか?
秋の新子と春の親イカ、どちらがおいしいですか?
旬のアオリイカを安く食べる方法はありますか?
about the author
マグロキャスティングを軸に、ジギング・エギング・ショアの実釣を本音で発信。2018 年再開、相模湾を主戦場に活動中。



