釣ったアオリイカが何日もつのか、検索すると答えがサイトごとに違います。冷蔵は「2日」とも「4〜5日」とも書かれ、冷凍は「1か月」から「1〜2年」まで幅があります。筆者はこの食い違いを一度整理したくて、公的機関の条件と各サイトの数字を並べ、自分の持ち帰りから冷凍庫までの工程を書き出しました。
先に筆者の答えを言うと、釣ったアオリイカは家に帰ったら内臓を抜いて1日以上冷凍し、翌日以降に刺身と焼き物で食べています。冷蔵で寝かせて当日や翌日に刺身にした経験はありません。この記事は「何日もつか」の数字だけでなく、なぜ数字が食い違うのか、どこまでが公的な条件でどこからが目安なのかを分けて書きます。
釣ったアオリイカは何日もつ? #
冷蔵なら当日から2日以内、冷凍なら約1か月が、上位サイトと検索の AI による概要がほぼ一致して示す目安です。筆者は冷蔵で寝かせず、内臓を抜いて1日以上冷凍してから翌日以降に食べています。
ただし、この「2日」「1か月」は公的機関が定めた数字ではありません。食品衛生の側から公的に条件が示されているのはアニサキス (寄生虫) 対策の温度と時間だけで、味が落ちるまでの日数は各サイトの経験則です。次の節で、その食い違いをそのまま並べます。
なぜ「何日もつ」の答えがサイトごとに違うのか #
答えが違うのは、出典の種類が違うからです。公的機関は安全条件だけを示し、味の日数は各サイトが自分の経験や引用で書いています。そのため冷蔵は2日から5日、冷凍は1か月から2年まで幅が出ます。
2026年9月時点で筆者が確認した数字を、出典の種類ごとに並べます。
| 出典 | 種類 | 冷蔵 | 冷凍 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 厚生労働省 (アニサキス予防) | 公的機関 | 記載なし | -20℃で24時間以上 (安全条件) | 味の日数は対象外 |
| 全国いか釣り漁業協会 | 業界団体 | 記載なし | 船凍イカなら家庭の冷凍室で半年程度 | 船上で急速冷凍したイカが前提 |
| Google の AI による概要 | 検索の要約 | 当日〜翌日、丸2日が限界 | 約6か月 | クエリによって数字が変わる |
| 釣太郎ブログ | 釣具店メディア | 1〜2日 | 家庭用冷凍庫で約1か月 (3日以内ならほぼ劣化なし) | 冷凍焼けを理由に挙げる |
| ちそう | 料理メディア | 釣って4〜5日まで刺身可 | 記載なし | 出典の記載なし |
| 個人ブログ (複数) | 個人 | 2〜3日 | 未処理で1〜2年、捌いて1か月 | 数字が最も割れる |
表を見ると、公的な数字は「-20℃で24時間以上」の1つだけで、それ以外は全部「おいしく食べられる目安」です。この記事では、安全の話 (アニサキス) と味の話 (冷凍焼けや食感) を分けて書きます。混ぜると、AI による概要のように「一度冷凍すればアニサキス対策にもなる」と温度と時間の条件を省いた説明になりがちだからです。
釣り場から冷凍庫まで、筆者はこう運んでいる #
釣り場では締めたイカをジップロックに入れ、海水ごとクーラーの氷に直接触れさせずに持ち帰ります。帰宅後は真水で2〜3秒流して内臓を抜き、胴とゲソを分け、水分を拭き取って新しいジップロックで空気を抜いて冷凍します。

釣り場での締め方と持ち帰りは アオリイカの締め方の記事 に書いたとおりで、締めたイカはジップロックに入れて海水を少し足し、氷に直接触れさせない形でクーラーに入れます。真水と氷にイカが直接当たると身が白くふやけるからです。
筆者が飲食用に使っているクーラーボックス。
17L 前後のサイズが船釣りの飲食+持ち帰り兼用にちょうど良い。同クラスの容量なら他モデルでも OK。
シマノ クーラーボックス フィクセル
帰宅後の工程は次の順番です。
- 全体を真水でざっと流す。時間は2〜3秒で、汚れを落とすだけにとどめます
- 内臓を抜き、ゲソと胴を分けます。胴は内臓を抜いたあと真水を使いません
- ゲソは2本の長い触腕の先端を切り落とします。ここは汚れが多い部分です
- 吸盤は汚れがたまりやすいので、多めの塩を振って手でもみ、汚れと粘りを落としてから真水でざっと流します
- キッチンペーパーで水分をできるだけ取り切ります。冷凍の仕上がりを分ける工程です
- 持ち帰りに使ったジップロックではなく新しいジップロックに入れ、空気を抜いて冷凍庫へ入れます
胴に真水を使わないのは、身が水を吸って味が抜けるのを避けるためです。ゲソだけ塩もみと真水を使うのは、吸盤の汚れを落とす必要があるからで、部位で扱いを分けています。
貴重品の水飛沫対策と、釣れた魚の持ち帰りに。
魚を氷に直接当てず袋に入れるのが鉄則。
ジップロック
冷蔵で寝かせるなら何日まで? #
冷蔵で寝かせて刺身にするなら、上位サイトの共通見解は「翌日までがおいしく、丸2日が限界」です。1〜2日寝かせると甘みが増すとされ、AI による概要も同じ数字を示しています。
筆者はこの寝かせ方を、アオリイカではやっていません。12月と5月に三崎港で釣ったアオリイカは、どちらも内臓を抜いて冷凍し、翌日か翌々日に刺身とバター醤油焼きにしました。当日に刺身で食べたアオリイカはなく、冷蔵で寝かせた場合の食感の変化は自分では確かめていません。「当日はコリコリ、翌日は甘み」という一般的な説明は、筆者の舌ではまだ検証できていない話です。
冷蔵の日数で1つだけ確かなのは、アニサキスの観点では冷蔵は対策にならないことです。厚生労働省は、より新鮮な魚を選び速やかに内臓を取り除くこと、目視で幼虫を除去することを挙げています。冷蔵で寝かせるなら、内臓を抜いた状態で寝かせ、食べる前に身を目で確かめる、という順番になります。
アニサキス対策で冷凍するなら何時間? #
公的な条件は「-20℃で24時間以上」です。家庭用冷蔵庫の冷凍室は JIS 規格で -18℃以下と定められているため、この条件をそのまま満たす保証はなく、釣りの専門家は家庭用なら48時間以上を目安に挙げています。
数字を分けて書きます。
- 厚生労働省: アニサキス幼虫は -20℃で24時間以上の冷凍、または70℃以上か60℃で1分以上の加熱で死滅する。酢締め、塩漬け、しょうゆ、わさびでは死なない (神奈川県のページも同じ条件を明記)
- 家庭用冷凍庫: 冷凍室の温度は JIS 規格で -18℃以下。-20℃に設定できない機種が普通にある
- 24時間の数え方: 中心温度が -20℃に達してからの時間。冷凍庫に入れてから中心が凍るまでの時間は別に必要
- 釣り歴45年の専門家 (Yahoo ニュース エキスパート、2025年7月) は、家庭用なら最低でも48時間以上が安全としている
筆者はこれまで「1日冷凍」でやってきました。以前は当日に身を目でしっかり確かめ、飾り包丁を入れて刺身にしていた時期もあります。飾り包丁は見た目のためだけでなく、身を細かく切って幼虫を断つ意味があります。マルイカは比較的アニサキスが少ないと船長に教わったのでそうしていましたが、最近は1日冷凍して翌日以降に食べるのが多くなりました。
ただ、この記事を書くために条件を並べ直すと、-18℃の家庭用冷凍庫で「入れてから1日」は、公的条件の「-20℃で24時間以上」を満たしていない可能性があります。この秋からは48時間以上に改めます。1日冷凍で問題が起きたことはありませんが、それは条件を満たした証明にはなりません。
もう1つ、公的条件に沿うなら内臓は釣り場か帰宅直後に抜くのが正しい順番です。アニサキスは魚が死んで鮮度が落ちると内臓から身へ移る性質があるとされるため、丸のまま冷蔵で長く置くのは避け、内臓を抜いてから冷やす、と覚えておくと迷いません。
冷凍でどこまでもつ?何が変わる? #
筆者の実績では、2週間から1か月の冷凍品を刺身とバター醤油焼きや塩胡椒焼きで食べるのが普通で、この範囲で困ったことはありません。1年放置したマルイカは身が黄色っぽく変色していました。冷凍で徹底するのは、水分を十分に拭き取ることと、できるだけ真空に近づけることの2点です。
食べ忘れて1年くらい冷凍庫に入ったままだったマルイカは、身が黄色っぽく変わっていました。期間だけでなく、冷凍前に残った水分も影響したと筆者は考えています。水分が残ると袋の中で霜になり、表面が乾いて酸化する「冷凍焼け」が早く進むという説明と合うからです。釣太郎ブログが家庭用冷凍庫の上限を約1か月とする理由も、この冷凍焼けです。
だから冷凍で徹底するのは2点だけです。
- 水分を十分に拭き取る。キッチンペーパーで押さえ、袋に水滴が残らない状態にする
- できるだけ真空に近い状態にする。空気が残るほど霜と乾燥が進む
筆者は真空パック機を持っていないので、ジップロックの口と反対側からくるくると丸めて空気を追い出し、できるだけ空気が残らない状態で口を閉じる簡易的な方法でやっています。この状態で2週間から1か月は問題なく食べられています。長期間まとめて保管する人は、家庭用の真空パック機を検討する価値があります。筆者は未使用なので、使い勝手は書けません。
冷凍したアオリイカを刺身にするときは、冷蔵室でゆっくり解凍します。急いで常温に出すとドリップ (解凍で出る水分) と一緒に旨味が抜けるので、前日の夜に冷蔵室へ移すのが基本です。
アオリイカとマルイカ、翌日の食感はどう違う? #
記憶の範囲で言うと、翌日のアオリイカは弾力があって身が分厚く、マルイカは柔らかくて薄い、という違いがはっきりあります。種と大きさの違いが理由で、アオリイカは胴の身が厚い大型のイカ、関東でマルイカと呼ぶケンサキイカの小型個体は身が薄いイカです。
正直に書くと、12月と5月に食べたアオリイカの味そのものは覚えていません。覚えているのは食感の差で、同じ翌日の刺身でもアオリイカは噛み返してくる弾力が残り、マルイカは柔らかさが先に立ちます。焼き物にすると、アオリイカは厚みのぶん火の通し方で食感が変わり、マルイカは薄いので短時間で仕上がります。
三崎港の釣行では 12月にアオリイカ1杯、5月にアオリイカ1杯とマルイカ1杯 を釣って持ち帰りました。マルイカの釣り方は マルイカ釣りの記事 にまとめています。
沖漬けで失敗した話と、次に試す手順 #
筆者は沖漬けをマルイカで一度試して失敗しました。釣れてすぐジップロックにイカを入れ、市販のイカ用のたれをたっぷり注いで持ち帰り、そのまま冷凍しました。翌日食べようとしたら醤油の匂いが強すぎて、食べずに捨てています。
原因は、たれの量と漬け時間だと考えています。一般的な沖漬けの目安は、浅漬けで2時間、ひと晩、3晩と漬け時間で味を決める作り方です。筆者は原液をたっぷり入れたまま冷凍したので、解凍まで漬かり続け、しかも濃いたれが小さなマルイカに入りすぎた、と読んでいます。TSURINEWS のケンサキイカの家漬けレシピでは、水6・濃口しょうゆ1・みりん1の割合で薄めたたれに漬け、たれごと冷凍してから冷蔵室でゆっくり解凍すると「追い漬け」になる、と紹介されています。
次に挑戦するときの手順を決めています。
- たれは原液でなく薄める (上のレシピなら水6・しょうゆ1・みりん1)
- 釣り場でたれに入れて持ち帰り、家で漬け時間を区切る (まずひと晩)
- アニサキス対策として、たれごと48時間以上冷凍する。しょうゆでは幼虫が死なないので、冷凍は省けない
- 冷蔵室でゆっくり解凍して食べる
沖漬けは釣った直後でないと作れない料理で、店に並ばない鮮度と同じく釣り人の側にある特権です。一度の失敗で終わらせず、今秋のアオリイカで手順どおりに試します。
この秋、確かめたいこと #
この記事で決めた運用と、まだ自分の舌で確かめていないことを分けて書いておきます。
- 冷凍は48時間以上に改める。1日冷凍との味の差があるかも見る
- 冷蔵で寝かせた翌日の刺身を、アオリイカで一度食べてみる。当日との食感差は自分では未確認
- 沖漬けを薄めたたれと漬け時間の管理で再挑戦する
- 冷凍1か月と2週間の刺身を並べて食べ比べ、冷凍焼けの出方を見る
秋イカの持ち帰り道具は エギングの持ち物チェックリスト に、旬と値段の話は アオリイカの旬の記事 にまとめています。これから始める人は 秋イカエギングの始め方 からどうぞ。
まとめ #
- 冷蔵は当日〜2日以内、冷凍は約1か月が、各サイトの共通する目安。ただし公的な数字ではない
- 公的に決まっているのはアニサキスの条件だけ。-20℃で24時間以上の冷凍、または70℃以上 (60℃なら1分以上) の加熱。しょうゆやわさびでは死なない
- 家庭用冷凍庫は JIS 規格で -18℃以下。筆者は1日冷凍でやってきたが、この秋から48時間以上に改める
- 冷凍で徹底するのは、水分を拭き取ることと、空気を抜くことの2点。1年放置のマルイカは黄色く変色した
- 筆者はアオリイカを当日や冷蔵翌日に刺身で食べた経験がない。寝かせた場合の食感差は今秋確かめる
- 沖漬けはたれを薄め、漬け時間を区切り、48時間以上冷凍してから食べる
よくある質問
釣ったアオリイカは冷蔵庫で何日もちますか?
釣ったアオリイカをそのまま冷凍しても刺身で食べられますか?
アニサキス対策の冷凍は何時間必要ですか?
アオリイカを冷凍する前に洗ってもいいですか?
アオリイカの冷凍焼けを防ぐコツはありますか?
about the author
マグロキャスティングを軸に、ジギング・エギング・ショアの実釣を本音で発信。2018 年再開、相模湾を主戦場に活動中。



