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入門ガイドエギング··読了 10分

エギングは風速何メートルまで?予報8mの日を気象庁の実測で照合

まつぼっくり
監修・執筆
まつぼっくり
マグロキャスティング 2018-
エギングは風速何メートルまで?予報8mの日を気象庁の実測で照合

「エギングは風速何メートルまでできるのか」。出撃前夜にこの数字を検索して、アプリの予報とにらめっこした人は多いと思います。筆者もその一人で、2026 年 9 月 5 日の三崎港はアプリの予報が北東 8.3m/s でした。行ってみると体は冷え、エギもラインも流され、3 人でノーヒット。

ところが後から気象庁の観測データを引くと、その夜の三浦観測所の平均風速は 3〜5m/s で、筆者が釣れた 5 月の夜とほぼ同じ数字でした。違ったのは最大瞬間風速の 11.6m/s と、釣り座に対する風向です。この記事では、目安の数字だけでなく「予報・観測所・体感がなぜ食い違うのか」を、4 釣行の実データで残します。

エギングは風速何メートルまでできる? #

筆者の目安は、アプリの予報で 5m/s までは普通に釣り、8m/s 前後が「行くか迷うライン」、10m/s を超えたら釣り以前に安全の問題だと考えています。ただし数字だけでは決まらず、釣り座に対する風向 (横風か追い風か) と突風の有無で、同じ 4m/s でも別の釣りになります。

釣り情報サイトの多くは「5m/s までは快適、10m/s で限界」と書いていて、筆者もこの目安自体には異論がありません。この記事で足したいのは、その数字を「どの数字で見るか」です。予報の 8.3m/s と、観測所の 3〜5m/s と、体が冷えて温かいものが欲しくなった体感は、同じ夜の同じ風でした。

予報 8m/s の夜に三崎港で起きたこと #

2026 年 9 月 5 日、18 時から 22 時半まで三崎港の超低温冷蔵庫前で 3 人。タイドグラフ BI の表示は 18〜21 時が北東 8.3m/s でした。結果は 3 人ともノーヒットで、周りにも釣れている人はいませんでした。詳しい経緯は9 月の三崎港の釣行記にあります。

体感で覚えているのは 3 つです。まず、まだ夏のつもりでいたのに体が冷えて、帰りには温かいものが欲しくなりました。万が一の雨用に持っていったレインウェアが、風除けとして役に立ちました。次に、風はずっと強かったわけではなく、強まっては弱まる繰り返しでした。

そして、風と表層の流れでエギとラインが流され、着底が分かりづらい状態でした。確保できた釣り座は沖が左手になる位置で、風は港から左手の沖へ抜けていました。しゃくって回収するころには、投げた方向ではなく左手の沖の方角からエギが戻ってきます。港では沖からエギが戻るのが自然に思えますが、この釣り座では沖は左手です。左から戻ってくるのは、それだけ風と流れに持っていかれていたということでした。

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フォールの姿勢が崩れないことを最優先に設計された、渋い状況・スレイカ対策の定番エギ。

舵の役割を果たすハイドロフィンが、風波の日でもブレない安定フォールを生みます。小さめシルエットの3号は、低活性の時期や小型中心・スレた場面で警戒されにくいサイズ。筆者が初めてアオリイカを釣ったのは、真冬の夜の三崎港でカラーはぶちぶちコーラルでした。

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エギは 2.5 号を軸にしていましたが、風で飛距離が出ないので 3 号に替えたりしながら、結局半分以上は 2.5 号で通しました。号数を上げても、エギが手元に戻ってこない状態は変わらず、この日は答えが出ていません。

気象庁の観測データで 4 釣行の風を照合した #

筆者は風速計を持っていません (そういう道具があることも、この記事を書くまで知りませんでした)。そこで、気象庁の過去の気象データから、三崎港の北約 4km にある三浦観測所 (標高 42m) と小田原観測所の毎時データを引いて、筆者の 4 釣行を照合しました。

釣行釣っていた時間の平均風速 (観測所)日最大 / 最大瞬間アプリの予報体感結果
2025-12-13 三崎港3.0〜4.7m/s 北北東〜北東、19 時から雨7.4 / 13.0記録なし風はそれほどなく、雨が強まった時だけやりづらいアオリイカ 1 杯
2026-05-23 三崎港3.5〜4.9m/s 北北東〜北東7.3 / 13.5記録なし風をあまり感じなかったアオリイカ 1 杯 + マルイカ 1 杯
2026-06-13 小田原漁港0.5〜2.9m/s (ほぼ無風)4.2 / 9.2記録なし風の記憶なしボウズ
2026-09-05 三崎港3.2〜4.9m/s 北東〜北北東5.5 / 11.6北東 8.3m/s体が冷えるほど。強弱の繰り返し、横風ノーヒット

気象庁の三浦・小田原観測所による4回のエギング釣行の平均風速と最大瞬間風速の図と、2026年9月5日の風をアプリの予報8.3m/s、観測所の平均3.2〜4.9m/s・瞬間11.6m/s、筆者の体感8mくらいの3つで比べた図

観測所の数字だけ見ると、9 月 5 日は三崎港 3 回のうち最も風が弱い夜です。5 月 23 日は同じ北東の 4〜5m/s で、風をほとんど感じないまま 2 杯釣れています。同じ数字の夜が、片方は「風をあまり感じない」、片方は「体が冷えて温かいものが欲しい」になった。この差を数字で説明できるのは、最大瞬間風速の 11.6m/s と、次の節で書く釣り座の向きだけでした。

気象庁の風の強さと吹き方には、瞬間風速は平均風速の 1.5 倍程度になることが多く、大気の状態が不安定な場合は 3 倍以上になることがある、と書かれています。9 月 5 日は平均 4m/s 前後に対して瞬間 11.6m/s で、3 倍近い突風が混じる夜でした。筆者が「強まっては弱まる繰り返し」と感じたのは、この突風だったと考えています。同じ表には、風速は地形や周りの建物に影響されるので、その場所の風速は近くの観測所の値と大きく異なることがある、という注記もあります。観測所の 4m/s が港の釣り座で 4m/s とは限りません。

横風と追い風、どちらがやりづらい? #

筆者の 9 月 5 日は横風で、これがやりづらさの主因だったかもしれません。超低温冷蔵庫前は港から沖へ抜ける風でしたが、確保できた釣り座は沖が左手になる位置で、ずっと横から風を受けていました。追い風になる釣り座が取れていたら、同じ夜でも違っていた可能性があります。

横風だと、投げたエギは空中で横に流され、着水後もラインが風で膨らんで表層の流れに持っていかれます。着底の合図が手元に来ないので、底を取る釣りが成立しにくくなります。追い風なら飛距離はむしろ伸び、ラインは自分の方へ押されるので張りやすい。向かい風は飛距離が落ちますが、ラインの膨らみは横風ほどではありません。筆者が試したのは横風の位置だけなので、追い風・向かい風の比較はまだ実釣で確かめていません。

対策として筆者が試したのは、エギを 2.5 号から 3 号に上げることだけで、効き目は出ませんでした。次に試すのはラインを 0.8 号から 0.6 号に落として風に取られる量を減らすことです。ラインとリーダーの記事で宣言したまま、9 月 5 日は巻き替えを忘れました。穂先を海面近くまで下げてラインの膨らみを抑える、足場の低い釣り座を選ぶ、といった定番の対策は、まだ自分で検証していないので「効くはず」とは書きません。

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筆者がメインで使う 0.8 号と同じ、アップグレード X8 の細番手です。

銘柄を揃えれば太さの違いだけを純粋に体感できるため、今秋の 0.6 号挑戦用に選びました。狙いは潮受けのたるみが減ることによる着底感度とフォールの自然さの向上。実釣の結果は記事に追記予定です。

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風速の数字はどれを見ればいい? #

筆者が見ているのはアプリ (タイドグラフ BI) の予報だけで、それで十分だと思っています。ただし予報の数字と釣り座の風は別物なので、予報は「行くかどうか」の判断に使い、「続けるかどうか」は現地で決めるのが現実的です。

予報・観測所・体感には、それぞれ性格があります。

  • 予報 (アプリ): 出撃前に見られる唯一の数字。9 月 5 日は 8.3m/s で、結果として体感には近かった。ただし観測所の実測とは 2 倍近く違った
  • 観測所 (気象庁): 後から無料で引ける実測値。ただし三浦観測所は港から約 4km、標高 42m にあり、港内の釣り座の風そのものではない。平均風速だけでなく最大瞬間風速も見る
  • 体感: 最終的に釣りができるかを決める数字のない指標。突風と風向で大きく変わる。筆者の感覚では 9 月 5 日は「8m/s くらい」で、予報とほぼ同じ

風速の目安を考えるときは、気象庁の階級表も参考になります。平均風速 10m/s 以上は「やや強い風」で、風に向かって歩きにくくなり傘がさせない、15m/s 以上は「強い風」で、風に向かって歩けなくなり転倒する人も出る、とされています。10m/s を超えると、釣り以前に堤防に立っていること自体の話になります。

風が強い日はやめるべき? #

筆者の基準は「予報 8m/s くらいで迷い、行くなら現地で判断する」で、それ以上の明文化はしていませんでした。この記事を書いて決めたのは、行った先で「横風で着底が取れない」状態なら、まず釣り座を変え、変えられなければ粘らずに帰る、という順番です。

海に落ちれば風速の話ではなくなります。堤防のエギングでもライフジャケットは着る、夜は一人で行かない、足元が濡れている釣り座は避ける。ライフジャケットの選び方は桜マークの記事に書きました。

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筆者が2020年から使うBSJ-5920RSの現行後継モデル。

水感知の自動膨張・桜マーク タイプA (遊漁船対応) で、腰巻きシリーズ最スリムのスティック形状。キャストもしゃくりも邪魔せず「着けているのを忘れる」のが最大の長所です。現行モデルの公称は初期浮力約9kg・約430g。

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もう 1 つ、9 月 5 日の反省があります。釣れない時のチェックリストで「下地を一巡して 30 分反応がなければ移動」と決めたのに、この夜は 22 時半まで同じ釣り座で投げ続けました。風の日ほど、この移動基準が効くはずです。釣り座を変えられない混雑した港では、「帰る」も移動のうちだと今は考えています。

風速別の目安表 (筆者の実例つき) #

上位の記事と同じ目安に、筆者の 4 釣行を当てはめた表です。実例の列が空いている行は、まだ筆者が経験していない風です。

予報の風速一般的な目安筆者の実例
〜3m/sほぼ影響なし6 月の小田原 (観測所 0.5〜2.9m/s)。風の記憶がないままボウズ
4〜5m/s操作に影響が出始めるが釣りは成立12 月と 5 月の三崎港 (観測所 3〜5m/s)。5 月は風を感じずに 2 杯、12 月は雨が強まった時だけやりづらかった
6〜8m/s対策が必要、行くか迷うライン9 月の三崎港 (予報 8.3、観測所は平均 3〜5 でも瞬間 11.6)。横風でエギとラインが流され、ノーヒット
8〜10m/s釣りは成立しにくい未経験
10m/s〜気象庁の「やや強い風」。傘がさせない風で、安全が先未経験 (行かない)

今秋の釣行で確かめること #

  • 風のある日は、沖を背にする追い風の釣り座を優先して取り、横風の 9 月 5 日と比べる
  • ラインを 0.6 号に巻き替えて、風に取られる量が減るかを確かめる
  • 釣行ごとに「アプリの予報」「体感」をメモし、後から気象庁の観測所の平均と最大瞬間を引いて 3 つ並べる
  • 移動基準 (30 分無反応で移動、動けなければ帰る) を風の日にこそ守る

雨と風のどちらが敵かという話は雨の日のエギングの記事に、潮回りと風の関係は潮回りの記事に書いています。

まとめ #

  • 目安は予報 5m/s まで普通に、8m/s 前後で迷い、10m/s 超は安全が先。数字は上位の記事と同じで、筆者も異論なし
  • 予報 8.3m/s の 9 月 5 日、気象庁の三浦観測所は平均 3〜5m/s で、釣れた 5 月と同じ数字だった。違いは最大瞬間 11.6m/s の突風と、横風の釣り座
  • 観測所の値は港の釣り座の風そのものではない。気象庁自身が「近くの観測所の値と大きく異なることがある」と注記している
  • 横風は着底が取れなくなる。追い風の釣り座が取れるかどうかが、号数やラインより先の対策
  • 行くかどうかは予報で、続けるかどうかは現地で。横風で着底が取れなければ釣り座を変え、変えられなければ帰る
frequently asked

よくある質問

エギングは風速何メートルまでできますか?
筆者の目安は、アプリの予報で5m/sまでは普通に釣り、8m/s前後が行くか迷うライン、10m/s超は安全が先です。ただし同じ4m/sでも横風か追い風か、突風があるかで別の釣りになります。予報8.3m/sの夜は横風でエギとラインが流され、ノーヒットでした。
予報の風速と実際の風が違うのはなぜですか?
予報は面の平均、観測所は港から離れた地点の実測、体感は釣り座の風向と突風で決まるからです。筆者の9月5日は予報8.3m/sに対し気象庁の三浦観測所は平均3〜5m/s、最大瞬間11.6m/sでした。気象庁も観測所の値と現地は大きく異なることがあると注記しています。
エギングは横風と追い風どちらがやりづらいですか?
筆者の経験では横風です。9月5日は沖が左手になる釣り座でずっと横風を受け、ラインが膨らんで表層の流れに持っていかれ、着底が分かりませんでした。追い風なら飛距離が伸びラインも張りやすいはずですが、追い風の釣り座での実釣はまだ確かめていません。
風速4〜5mでもエギングは釣れますか?
釣れました。筆者の5月23日は気象庁の観測所で北東3.5〜4.9m/sでしたが、風をほとんど感じないままアオリイカとマルイカを1杯ずつ釣っています。一方、同じ数字の9月5日は突風と横風でノーヒットでした。平均風速だけでなく、突風の有無と釣り座の向きで変わります。
風が強い日のエギングはエギやラインをどうすればいいですか?
筆者が試したのはエギを2.5号から3号に上げることだけで、横風の日は効き目が出ませんでした。次に試すのはラインを0.8号から0.6号に落として風に取られる量を減らすことです。穂先を下げる、足場の低い釣り座を選ぶといった定番の対策は、まだ自分では検証していません。
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about the author

まつぼっくり
まつぼっくり
釣りライター / 釣りちゃん運営者

マグロキャスティングを軸に、ジギング・エギング・ショアの実釣を本音で発信。2018 年再開、相模湾を主戦場に活動中。

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