「エギングは大潮がいい」「いや小潮が釣れる」「潮回りは関係ない」。調べるほど意見が割れる潮回りの話を、自分の釣行で確かめてみました。三崎港と小田原漁港の 4 釣行 (釣れた日 2 回、釣れなかった日 2 回) を、気象庁の潮位表と国立天文台の暦で後から照合した結果です。
先に結論を書くと、釣れた 3 杯 (アオリイカ 2 杯、マルイカ 1 杯) は小潮の下げ潮と中潮の上げ潮でバラバラでした。潮名にも上げ下げにも共通点はなく、唯一そろっていたのは「干潮の前後 2〜3 時間」という時刻です。釣行 4 回の小さな実績なので、断定はしません。何が言えて何が言えないかを、数字ごと残します。
結論:4 釣行では潮回りより「干潮の前後」に釣れていた #
筆者の 4 釣行では、潮名 (小潮・中潮) と上げ下げは釣果と対応せず、釣れた 3 杯はどれも干潮時刻の 2〜3 時間以内に集まっていました。大潮の釣行はまだなく、大潮の良し悪しは判定できていません。
照合に使ったのは、気象庁の潮位表 (三崎港は最寄りの油壺、小田原漁港は小田原の地点) と、国立天文台 暦計算室の朔弦望 から数えた旧暦日です。潮名は旧暦日で全国共通に決まるので、アプリの表示に頼らず自分で引けます。
| 釣行 | 潮名 | 満潮 / 干潮 (潮位) | 釣っていた時間 | ヒットと潮の状態 | 結果 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2025-12-13 三崎港 | 小潮 | 満潮 13:08 (153cm) → 干潮 20:01 (77cm) | 16〜21 時 | 18 時ごろ。干潮の 2 時間前、18〜20 時で 14cm しか下がらない緩い下げ | アオリイカ 1 杯 (10 分後に友人も 1 杯) |
| 2026-05-23 三崎港 | 中潮 | 干潮 17:43 (50cm) → 上げ | 16〜22 時 | 20 時ごろと 21 時ごろ。干潮の 2〜3 時間後、1 時間に 20cm 前後上がる上げ潮 | アオリイカ 1 杯 + マルイカ 1 杯 |
| 2026-06-13 小田原漁港 | 中潮 (新月の 2 日前) | 満潮 16:23 (144cm) → 干潮 21:26 (105cm) | 16〜21 時 | ヒットなし。釣行中ずっと下げ潮 | ボウズ |
| 2026-09-05 三崎港 | 小潮 | 干潮 17:48 (145cm) → 満潮 23:24 (169cm) | 18〜22 時半 | ヒットなし。上げ潮だが潮位差は 24cm | ノーヒット |

表の 4 回が、筆者が三崎港と小田原で記録を残しているエギングの全部です。釣れた日だけを選んで並べたわけではなく、ボウズの 2 回も同じ扱いで載せています。各釣行の詳しい記録は、12 月の三崎港、5 月の三崎港、6 月の小田原漁港、9 月の三崎港 にそれぞれ書いています。
エギングは大潮と小潮どっちが釣れる? #
筆者の記録では、小潮で 1 杯、中潮で 2 杯、そして小潮と中潮でボウズが 1 回ずつです。大潮はまだ釣行がありません。少なくとも「小潮は釣れない」とは、この 4 回からは言えませんでした。
釣り情報サイトを見比べると、大潮を推す記事、小潮を推す記事、「潮回りより潮が動いているかが全て」という記事が並んでいます。それぞれの筆者の経験としては本当なのだと思いますが、読む側は答えにたどり着けません。筆者の 4 回も、どの説を裏づけるにも足りない数です。
ただ、釣れた 2 日の潮の動き方は対照的でした。12 月 13 日の小潮は 18〜20 時で 14cm しか下がらない緩い潮、5 月 23 日の中潮は 1 時間に 20cm 前後上がる速い潮です。「動いている潮でしか釣れない」なら 12 月の 1 杯は説明がつかず、「緩い潮がいい」なら 5 月の 2 杯が説明できません。潮名や動きの速さとは別の要因が効いていたと考えるのが自然です。
上げ潮と下げ潮はどっちがいい? #
12 月の 1 杯は下げ潮の終盤、5 月の 2 杯は上げ潮の途中でした。上げでも下げでも釣れていて、共通していたのは「干潮時刻から 2〜3 時間以内」という点だけです。
12 月 13 日は干潮 20:01 の 2 時間前の 18 時ごろ、5 月 23 日は干潮 17:43 の 2 時間後と 3 時間後です。逆に、釣れなかった小田原の 6 月 13 日は満潮 16:23 から下げ続けて、干潮 21:26 に近づく 20〜21 時にも反応はありませんでした。ここは正直に、「干潮の前後なら釣れる」とも言えない反例です。
フォールの姿勢が崩れないことを最優先に設計された、渋い状況・スレイカ対策の定番エギ。
舵の役割を果たすハイドロフィンが、風波の日でもブレない安定フォールを生みます。3.5号はエギングの基準サイズで、飛距離と存在感に優れ、春の良型狙いから秋の数釣りまで軸になる号数。筆者が初めてアオリイカを釣ったのは、真冬の夜の三崎港でカラーはぶちぶちコーラルでした。
ヤマシタ エギ王K 3.5号
筆者が持っている仮説は、潮位が低い時間帯ほど、常夜灯の光と底から 1〜2m を探る釣り方の噛み合いが良くなる、というものです。3 杯はどれも日没後の常夜灯まわりで、12 月は底付近、5 月は底と足元の表層でヒットしています。ただしこれは仮説です。6 月 13 日の小田原は下げて 105cm に近づいてもボウズで、9 月 5 日は 145〜165cm と高めの潮位でボウズでした。低い潮位で釣れたのは 2 日だけで、検証はこれからです。
潮止まりは釣れない? #
筆者の 3 杯は、どれも潮止まり (干潮時刻) ぴったりではなく、その 2〜3 時間前後に釣れています。とはいえ 12 月の 1 杯は干潮 2 時間前の潮位差 14cm という、ほぼ止まりかけの潮でした。「潮止まりは釣れない」は、筆者の記録では確かめられていません。
潮止まりの時刻は、満潮または干潮の時刻そのものです。潮位表で満干の時刻を見れば、その前後 30 分ほどが「潮が動かない時間」の目安になります。12 月 13 日なら 20:01、5 月 23 日なら 17:43 が夕方以降の潮止まりで、筆者はどちらの時刻にも釣れていません。「潮止まり直前まで釣れて止まった」のか、「たまたま釣れなかった」のかは、4 回では区別できないというのが正直なところです。
潮が速い日や風の日はどうする? #
9 月 5 日は潮位表の上では、釣っていた夕方以降の潮位差が 24cm しかない、ほとんど潮位が変わらない時間帯でした。ところが現場では風と表層流でラインが流され、エギが手元に戻ってこない状態でした。潮回りと「現場の潮の速さ」は別物だ、というのがこの日の学びです。
風は港から沖へ抜けていて、投げたエギは空中で流され、沈めている間はラインが表層の流れに持っていかれました。潮位の上下 (縦の動き) が小さくても、港内の横の流れは風や地形で強くなることがあります。「小潮だから潮は緩いだろう」と予想して行った日に、この状態になりました。潮回りで潮の速さを予想するのは、少なくとも港内では当てにならないと感じています。

余談ですが、この日はアプリの表示と気象庁の潮位表で満干の時刻が食い違っていました。釣行記に書いたアプリの表示は満潮 20:40 (145cm)、気象庁の油壺は干潮 17:48 (145cm) から満潮 23:24 (169cm) です。地点や計算方法の違いで、潮位差が 10〜24cm しかない日は満干の時刻がぶれるのだと理解しています。どちらの表でも「ほとんど動かない日」だった点は同じです。
風対策は、細いラインで流される量を減らすこと (筆者は次回 0.6 号で試します) と、エギを 2.5 号から 3 号に上げて沈めることを試しましたが、この日は答えが出ていません。雨より風が敵という話は雨の日のエギングの記事にも書いたとおりで、風が読めない日は風裏の釣り座を優先するのが現実的です。
潮回りで釣行日を選ぶべき? #
筆者は選んでいません。平日は仕事なので釣行は土曜が中心で、4 回とも潮回りは見ずに予定で決めた日でした。結果として小潮 2 回、中潮 2 回に偏り、大潮の記録がありません。
同じように日を選べない人は多いはずです。それなら潮名で悩むより、行くと決めた日の干潮時刻を潮位表で見て、その前後 2〜3 時間を釣り座にいる時間に重ねる、という使い方のほうが現実的だと考えています。これは筆者の 3 杯から出した仮説であって、まだ検証していない使い方です。
もう 1 つ正直に書いておくと、同じ時間に同じ釣り座で投げていた友人 3 人が、5 月 23 日はノーフィッシュでした。時間帯を合わせれば釣れるという話ではなく、「釣れるとしたらその時間帯に集中していた」という記録だと受け取ってください。時間帯を合わせた上で反応がないときの動き方は、釣れない時のチェックリストにまとめています。
常夜灯を離れた堤防の「本当の真っ暗」で頼れる、最大1200ルーメンのフラッグシップヘッドライト。
移動は白色フルパワー、手元のノットは電球色、海を無駄に照らしたくない時は赤色と、夜釣りの場面ごとに光を使い分けられます。電池は交換式で、予備のZR-02を持てば長丁場も安心。筆者も夜の釣行では必ず持参しています。
ZEXUS ZX-R730
潮名と潮位を無料で後から調べる方法 #
タイドグラフ BI のようなアプリは便利ですが、筆者が使っているものは 30 日以上前の履歴が有料でした。過去の釣行を照合するなら、無料の公的データで十分です。
- 潮名: 国立天文台 暦計算室の朔弦望で、釣行日の直前の「朔」(新月) の日付を見ます。朔の日を旧暦 1 日として釣行日まで数え、旧暦 1〜3 日・15〜17 日・30 日が大潮、4〜7 日・18〜21 日が中潮、8〜10 日・22〜24 日が小潮、11 日・25 日が長潮、12 日・26 日が若潮、残りが中潮です
- 満干と時刻別の潮位: 気象庁の潮位表で最寄りの地点を選びます。三崎港なら油壺、小田原漁港なら小田原です。1 時間ごとの潮位と満干の時刻・潮位が出ます
- 釣行の記録: ヒット時刻と釣っていた時間をメモしておけば、後からこの記事の表と同じものが作れます。アプリを使う人は、当日のうちに画面を保存しておくと履歴の有料化を気にせず済みます
たとえば 2026 年 9 月 5 日なら、直前の朔は 8 月 13 日です。8 月 13 日を 1 日として数えると 9 月 5 日は旧暦 24 日、つまり小潮になります。この記事の 4 釣行の潮名は、すべてこの方法で確かめました。
今秋の釣行で確かめること #
4 回の記録から出てきた仮説を、秋イカシーズンの釣行で確かめていきます。
- 干潮の前後 2〜3 時間を釣り座にいる時間に重ねる。時間帯を合わせて反応がなければ、仮説の反例として記録する
- 大潮の釣行を少なくとも 1 回入れる。潮名の比較に大潮の記録が欠けている
- 潮位差が小さい日でも風と表層流を別に記録する。潮回りと現場の潮の速さを分けて見る
- 釣れた日もボウズの日も、ヒット時刻と満干時刻をセットで残す
秋の時期の目安は秋イカの時期の記事に、夜の釣り方は夜エギングの記事にまとめています。
まとめ #
- 三崎港・小田原の 4 釣行を気象庁の潮位表と国立天文台の暦で照合した。潮名は小潮 2 回、中潮 2 回で、大潮の記録はない
- 釣れた 3 杯は小潮の緩い下げ潮と中潮の速い上げ潮で、潮名にも上げ下げにも共通点はなかった
- 共通していたのは「干潮の前後 2〜3 時間」だけ。ただし小田原の 6 月 13 日は干潮に近づいても釣れなかった反例がある
- 9 月 5 日は夕方以降の潮位差が 24cm のほとんど動かない時間帯なのに、風と表層流で現場の潮は速かった。潮回りで潮の速さは予想できない
- 釣行日は潮回りで選べない人が多い。潮名で悩むより、その日の干潮時刻の前後に釣り座にいる、を次の検証テーマにする
よくある質問
エギングは大潮と小潮どっちが釣れますか?
エギングで潮止まりは釣れませんか?
上げ潮と下げ潮、エギングはどちらが釣れますか?
エギングで潮回りは関係ないというのは本当ですか?
過去の釣行日の潮回りを無料で調べる方法は?
about the author
マグロキャスティングを軸に、ジギング・エギング・ショアの実釣を本音で発信。2018 年再開、相模湾を主戦場に活動中。



