ダイワの大型スピニング「BG SW」が 3 年ぶりにフルモデルチェンジします。26BG SW の発売は 2026 年 10 月 (5000〜14000 番)、クロマグロ級を見据えた 20000 番のみ 11 月。定価は 25,900〜36,300 円 (税抜) で、予約段階から 3 割近い値引きの店も出ています。
本記事は発売前の先行整理です。メーカー公式ページの情報を土台に、旧 23BG SW からの変更点、ソルティガとの約 5 倍の価格差の中身 (何が削られていて、その結果何が起こるのか)、そして本題の「マグロキャスティングにどこまで使えるのか」を、キハダ・クロマグロ用リールを探している人向けにまとめました。筆者はまだ実物を触っていないため、使用感のインプレは発売後にこの記事へ追記します。
26BG SWとはどんなリール? #
26BG SW は、ダイワが 2026 年 10 月に発売する大型ソルトウォータースピニングのエントリー機です。ソルティガ由来の設計思想「パワードライブデザイン」を、大型 SW スピニングとして初めて 3 万円前後の価格帯に持ち込み、公式ページの対象魚にはキハダ・マグロ類・GT が明記されています。
キャッチコピーは「BORN FOR BIG GAME」。BG は 2016 年の 16BG から続くタフネス志向の系譜で、2023 年に 23BG SW としてリニューアルし、今回が SW 名義の 2 世代目にあたります。
注目すべきは投入の流れです。パワードライブデザインは 25ソルティガで登場し、26セルテートSW (2026 年 3 月発売) に降り、そして 26BG SW でついに入門価格帯へ到達しました。この 2 年でフラッグシップの設計思想が最上位から入門機まで一気通貫した形で、ダイワの大型 SW ラインナップの世代交代が完成する節目のモデルといえます。
発売日・価格・ラインナップは? #
5000〜14000 番が 2026 年 10 月、20000 番が 11 月発売予定です。定価は 25,900〜36,300 円 (税抜)。全 8 機種のスペックは以下の通りです。
| 品番 | 自重 | ギア比 (巻取り長) | 最大ドラグ | PE糸巻量 | 定価 (税抜) | 発売 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| SW5000-H | 420g | 5.7 (96cm) | 12kg | 2.5号-300m | 25,900円 | 10月 |
| SW6000-P | 455g | 4.9 (86cm) | 12kg | 3号-300m | 25,900円 | 10月 |
| SW6000-H | 455g | 5.7 (101cm) | 12kg | 3号-300m | 25,900円 | 10月 |
| SW8000-P | 680g | 4.9 (97cm) | 15kg | 4号-300m | 31,100円 | 10月 |
| SW8000-H | 680g | 5.7 (113cm) | 15kg | 4号-300m | 31,100円 | 10月 |
| SW10000-H | 690g | 5.7 (121cm) | 15kg | 5号-300m | 31,100円 | 10月 |
| SW14000-H | 700g | 5.7 (122cm) | 15kg | 6号-300m | 31,100円 | 10月 |
| SW20000 | 965g | 5.3 (137cm) | 20kg | 10号-300m | 36,300円 | 11月 |
(ダイワ公式 26BG SW 製品ページより。2026 年 8 月時点)
ベアリングは全機種 5/1。実売はまだ確定していませんが、予約段階で 6000-H が 19,940 円 (税込定価の約 3 割引、2026 年 8 月時点) の店があり、同じ割引率なら 14000-H は 2 万円台前半〜中盤に収まる見込みです。
23BG SWから何が変わった? #
最大の変更は、ソルティガ譲りのパワードライブデザインが入ったことです。ローター・ギア・ドラグと、駆動系がまるごと刷新されました。
| 項目 | 23BG SW | 26BG SW |
|---|---|---|
| ローター | エアローター | POWERDRIVE ROTOR (DS4製・低慣性高剛性) |
| ドライブギア | 大口径タフデジギア | オーバーサイズドパワーデジギア (大口径・肉厚化) |
| ドラグ | ATD | ATDタフ (カーボンワッシャー) |
| ベール | — | クランクパワーベール (不意の返り抑制) |
| 防水 | — | 新設計防水パッキン |
| スプール | LC-ABS | LC-ABS SW |
| ラインナップ | 4000〜18000 (9機種) | 5000〜20000 (8機種) |
実機の外観と内部機構は、ダイワ豪州法人の公式解説動画が分かりやすいです (英語ですが、映像だけでも雰囲気は伝わります)。
良いことばかりではありません。14000 番同士で比べると自重は 620g → 700g と 80g 増え、価格も一段上がりました (23BG は発売当時、実売 1 万円台後半〜2 万円台前半という衝撃価格でした)。剛性と駆動系に振った代償と見るのが妥当です。
ラインナップの変化も見逃せません。旧 18000 (PE8号-300m) が廃止され、PE10号-300m の 20000 に置き換わりました。ドラグ最大値は同じ 20kg ですが、より太糸 = クロマグロ・GT 志向がはっきりした構成です。PE8 号で組みたい人は 20000 に下巻きを入れて載せる形になります。小さい側も 4000 番台が消え、SW の名の通り大物側へ寄せてきました。
なぜソルティガの5分の1の価格で作れる? #
最大の理由はマグシールドとモノコックボディの非搭載です。加えてギア素材・ベアリング数・ドラグ構成・ローター素材で上位機と差があり、その積み上げが約 12 万円の価格差になっています。14000 番同士で並べてみます。
| 項目 | 26BG SW 14000-H | 26セルテートSW 14000 | 25ソルティガ 14000-XH |
|---|---|---|---|
| 定価 (税抜) | 31,100円 | 93,100円 | 155,000円 |
| 最大ドラグ | 15kg | 25kg | 25kg |
| 自重 | 700g | 675g | 690g |
| ベアリング | 5 | 9 | 14 |
| マグシールド | なし | ピニオン+ラインローラー | ピニオン+ラインローラー+ドライブギア両端 |
| ボディ | フルアルミ (モノコック記載なし) | アルミモノコック | アルミモノコック |
| ドライブギア素材 | 非公表 | G1ジュラルミン | G1ジュラルミン |
| ローター素材 | DS4 (樹脂系) | ZAION | アルミ |
| ドラグ機構 | ATDタフ (構成非公表) | ATDタフ | ATDタフ (カーボン14枚) |
スペックはダイワ公式の各製品ページより: 2026 年 8 月時点
それぞれの差で、実際に何が起こるのかを見ていきます。
マグシールドがない。 回転部への海水侵入を磁性流体でブロックする、ダイワ上位機の看板機構が 26BG にはありません (公式ページに記載なし。防水は新設計パッキン)。潮を被るオフショアでは塩ガミやベアリング劣化のリスクが上位機より高く、使用後の真水洗いと定期メンテが前提になります。ただし裏返すと、マグシールド機は構造上セルフメンテ (注油など) がしにくいという声も根強く、「自分で洗って自分で面倒を見る」派には BG のシンプル構造の方が扱いやすい面もあります。
モノコックボディでない。 セルテートSW・ソルティガはボディカバーを廃し、高精度プレートを直接ねじ込むモノコック構造です。剛性と防水性が上がり、ボディ内に大口径ギアを収められます。26BG は従来型のフルアルミボディで、超高負荷時の歪みにくさでは一歩譲る理屈です。それでもギアの大口径・肉厚化 (オーバーサイズドパワーデジギア) 自体は取り込んでいるのが今回の進化点です。
「同じ名前」でも中身の等級が違う。 公式ページを 3 機種読み比べて一番面白かった部分です。いずれも「オーバーサイズドパワーデジギア」「ATDタフ」と同じ機構名を掲げますが、上位 2 機はギア素材が G1 ジュラルミン (超々ジュラルミン) と明記されているのに対し、26BG は素材非公表。ドラグも、25ソルティガ 14000 は ATDタフのカーボンワッシャー「14 枚構成」まで明記されていますが、26BG の構成は非公表です。同じ名前だから同じ性能、ではありません。
では実釣で何が変わるのか。 ドラグ最大値 15kg は、後述の通りキハダ戦なら数値上は足ります。差が出るのは「持続」の領域です。長時間ファイトでのドラグの滑らかさと熱への強さ、高負荷を掛け続けたときのギアの摩耗と巻き感の劣化速度、ローターのたわみによる巻き上げロス。つまり価格差 12 万円の中身は、最大パワーの差というより耐久・防水・滑らかさの持続力の差です。年に数回のマグロ便でその日を戦う分には致命傷になりにくく、毎週のように高負荷を掛けるほど効いてくる性質の差だと筆者は整理しています。
26BG SWでマグロは狙える? #
公式ページの対象魚にキハダ・マグロ類・GT が明記されており、番手はキハダなら 14000-H、クロマグロなら 20000 が該当します。スペック上は「狙える」構成です。
キハダなら 14000-H。 PE6号-300m は相模湾のキハダキャスティングで標準的なラインキャパそのもので、最大ドラグは 15kg。筆者はツインパワーSW 14000XG で相模湾のキハダ (30kg 級) を獲っていますが、キハダ戦でリールに求められる仕事は「太糸を 300m 巻けて、ドラグが滑らかに出続けて、最後まで巻き続けられる」ことに尽きます。26BG 14000-H はその要件を定価 3 万円前後で満たしに来た初めてのダイワ機です。未知数は先述の「持続」領域で、数十分のファイトでドラグと巻きがどこまで粘るかは、発売後に確かめるべきポイントです。
クロマグロなら 20000。 PE10号-300m・最大ドラグ 20kg・自重 965g。旧 18000 の置き換え枠です。ソルティガでクロマグロ帯を組むと 18000-H (定価 175,000 円・税抜) からになるのに対し、26BG SW 20000 は 36,300 円と約 5 分の 1。「初めてのクロマグロ挑戦で、リールだけで 15 万円超はさすがに厳しい」という人にとって、これまでなかった現実的な入口になります (なおソルティガの 18000 以上は DRD という金属ローラー式の別格ドラグを積んでおり、そこが価格差の一因でもあります)。挑戦する前に、クロマグロ遊漁規制の現在地と確認手順もあわせて確認してください。30kg 未満は採捕禁止など、ルール側の前提が動いています。
ひとつ正直に書いておくと、発売前のため実釣評価はゼロです。この記事は「買い」と断定するものではなく、予約するかどうかの判断材料の整理です。
マグロ以外の釣りに流用できる? #
公式はショアジギングから本格オフショア (大型青物、キハダ、マグロ類、GT) までを想定しています。番手ごとの守備範囲を糸巻量から整理するとこうなります。
| 番手 | PE糸巻量 | 想定される釣りもの (筆者の整理) |
|---|---|---|
| 5000-H | 2.5号-300m | ショアジギング (中型青物)、ライトなオフショアジギング |
| 6000-P/H | 3号-300m | ショアジギング、オフショアジギング入門 |
| 8000-P/H | 4号-300m | オフショアジギング (ブリ・ヒラマサ)、青物キャスティング |
| 10000-H | 5号-300m | 大型青物のジギング・キャスティング、カツオ・キメジ |
| 14000-H | 6号-300m | キハダキャスティング、GT、大型ヒラマサ |
| 20000 | 10号-300m | クロマグロキャスティング、GT・遠征大物 |
「マグロ専用タックルは他の釣りに流用しにくく、初期投資が重い」— マグロ入門で必ずぶつかる悩みです。26BG の面白さは、この悩みへの答え方が 2 つあることです。ひとつは 14000-H 自体の兼用範囲で、PE6 号クラスは GT や大型ヒラマサのキャスティングとも重なります。もうひとつは価格による発想の転換で、1 台 2 万円台なら「キハダ用に 14000、青物ジギング用に 8000」と釣りものごとに適正番手を買い足す戦略が現実味を帯びます。15 万円のソルティガでは難しかった組み立て方です。
逆方向の注意もひとつ。14000-H (700g) や 20000 (965g) をショアキャスティングに常用するのは重量的に現実的ではありません。ショア主体なら公式の想定通り 5000〜6000 番が守備範囲です。
ライバル機と比べてどう選ぶ? #
同価格帯のシマノに 14000 番は存在しません (エントリー機のスフェロスSW は 8000 番まで。2026 年 8 月時点)。シマノ側で最も安い 14000 はストラディックSW 14000XG になります。
| 項目 | 26BG SW 14000-H | ストラディックSW 14000XG |
|---|---|---|
| 価格 | 定価 31,100円 (税抜)・実売 2万円台見込み | 実売 34,034円 (2026年8月時点) |
| 自重 | 700g | 700g |
| 最大ドラグ | 15kg | 15kg |
| ギア比 | 5.7 | 6.2 |
| 発売 | 2026年10月 | 2022年 |
同重量・同ドラグで約 1 万円安く、設計は 4 年新しい — 紙の上では 26BG 優位です。一方ストラディックSW には 3 年を超える実釣実績の蓄積と流通量という、発売前の新型が持ち得ない安心感があります。「今すぐ実績のある 1 台が欲しい」ならストラディック、「秋の発売まで待てて、新設計に期待したい」なら 26BG という分かれ方でしょう。
上のクラスと迷う場合は、シマノならツインパワーSW 14000XGでキハダは獲れるかの検証 (シマノ編)、ダイワならキハダ用ダイワリールの選び方 (ダイワ編)で詳しく比較しています。ダイワの大型 SW は 26BG (定価 3.1 万円) の上がいきなり 26セルテートSW (9.3 万円) と開くため (2026 年 8 月時点)、シマノのツインパワーSW にあたる「中間の 5〜6 万円台」が存在しない点も、知っておくと選びやすいはずです。
まとめ: 誰の「最初の1台」になるか #
- 発売は 2026 年 10 月 (20000 番のみ 11 月)。定価 25,900〜36,300 円 (税抜)、予約実売は 3 割引前後の店もある
- 中身はソルティガの設計思想「パワードライブデザイン」の入門展開。ローター・ギア・ドラグが 23BG から刷新された
- 削られたのはマグシールド・モノコックボディ・ギア素材・ベアリング数。つまり耐久・防水・滑らかさの「持続力」で、最大スペックの差ではない
- キハダなら 14000-H (PE6号-300m)、クロマグロなら 20000 (PE10号-300m)。公式の対象魚にマグロ類が明記されている
- 年数回ペースでマグロに挑む入門者や、釣りものごとに番手を揃えたい人には価格破壊級。毎週高負荷を掛けるヘビーユーザーには、上位機の持続力に投資する価値が残る
26BG SW をおすすめできる人
- 初めてのキハダ・クロマグロ挑戦で、リールの初期投資を 3 万円前後に抑えたい人
- マグロ便は年数回ペースで、「その日を戦える最新設計」を安く手にしたい人
- 上位機は持っているが、太糸専用機・予備機として番手を買い足したい人
- キハダ用に 14000、青物ジギング用に 8000 と、釣りものごとに番手を揃えたい人
上位機 (セルテートSW / ソルティガ) を検討したほうがいい人
- 毎週のように高負荷の釣りに通う人 — 差が出るのはドラグと耐久の「持続力」の領域
- 潮を被る釣りが多く、防水とメンテ頻度を機材側に任せたい人 (26BG はマグシールド非搭載で、真水洗い・定期メンテが前提)
- 巻きの質感まで含めて 1 台を長く使い込みたい人 — 選び方はキハダ用ダイワリールの選び方 (ダイワ編)で詳しく書いています
筆者は発売後に実物を確認し、使用感と実物の写真をこの記事へ追記する予定です (それまでの記事写真は手持ちの私物機です)。秋のキハダシーズンにぎりぎり間に合う発売時期 — 「マグロ入門の最初の 1 台」の定番になれるか、注目しています。
よくある質問
26BG SWの発売日はいつですか?
23BG SWから何が変わりましたか?
ソルティガとの価格差は何の差ですか?
キハダキャスティングにはどの番手が良いですか?
クロマグロには使えますか?
マグシールドが無くても大丈夫ですか?
about the author
マグロキャスティングを軸に、ジギング・エギング・ショアの実釣を本音で発信。2018 年再開、相模湾を主戦場に活動中。

